「マーケティング」には多くの要素がありますが、一言で説明すると「売れる仕組みをつくる」ことです。製品やサービスをお客様に買ってもらうために、市場やニーズの分析から、コストや販路の決定、販売促進など分析からさまざまな施策を立てます。
飲食店でもマーケティングを取り入れて集客をおこなっているケースが近年増加しており、経営戦略のひとつとして注目されています。
では、飲食店がマーケティングを使っていくにはには、どのような手法を取り入れるべきなのでしょうか。
取り入れたい飲食店のマーケティング手法
飲食店が自分の店舗を効果的にアピールして集客に活かすためには、どのようなマーケティング手法を取り入れる必要があるのでしょうか。
STP分析
STP分析とは、市場分析を行い、ターゲット層を絞り込んで、自分のお店で提供すべき価値を決定する分析手法です。
STP分析とは、
- セグメンテーション(市場細分化)
- ターゲティング(狙う市場の決定)
- ポジショニング(自社の立ち位置の明確化)
STPとはこの3つの英単語の頭文字をとって名付けられた分析法です。 マーケティング論で知られるフィリップ・コトラーが提唱したフレームワークで、業種や商材などを問わず活用できます。
新たにビジネスを展開するにあたって、自社そのものや販売する商品・サービスなどの立ち位置を明確にすることは必要不可欠です。ビジネスを取り巻く環境を理解してどのような立ち位置を取るかによって、その後の戦略はもちろん、大きな利益を得られるかどうかまで影響を及ぼすのです。
STP分析では、セグメンテーションで市場の全体像を把握し、ターゲティングでその中から狙うべき市場を決定し、ポジショニングで競合他社との位置関係を決定します。
ここで常に意識したいポイントは「ユーザー目線」です。ユーザーの行動を客観的に把握し、それに応じた事業展開を行うことが、STP分析をより有意義にする秘訣です。
期間限定のメニューやイベント
期間限定のメニューやイベントをおこなうのも、飲食店に効果的なマーケティング手法のひとつです。顧客が足を運びたくなるような方法を考えていきましょう。
また「限定」という言葉は特別感を与えやすいため、「1日〇食限定」のように数で演出すると効果的です。
雨の日は客足が遠のく傾向にあるため、どうにかしたいと考えている方も多いでしょう。そんなときには、「雨の日限定飲み物一杯無料サービス」などの特典を用意するのがおすすめです。
マーケティングにおいて、価格以上の価値があることを顧客に感じてもらうことは非常に重要で、のちの集客に繋がります。
「なんか知らないけど、あのお店が好き」「今行くしかない、今チャンスだ!」と、特別感を演出して付加価値を付けていきましょう。
「松竹梅の法則」の価格設定
戦略的に価格設定をおこなう手法のひとつに「松竹梅の法則」というものがあります。
「松・竹・梅」といった3段階の選択肢を提示されたとき、真ん中の価値のものを選択したくなる「ゴルディロックス効果」という心理を利用した価格設定です。
一方で、飲食店での「松・竹・梅」という3段階の価格設定では、実際には最安値が選ばれるケースも多いようで、狙いである中間価格帯の商品が思うように伸びない例も少なくないのが現状です。
そこで、「松・竹・梅」に加えて「特上」のランクを用意して4段階の価格帯でメニューを用意します。
比較対象が増えることで、「一番下はあまり美味しくないのでは…」と避けたり、「安いのを選んだらケチって周りに思われるかも…」という世間体を気にして見栄を張ったりする心理がより芽生えやすいのです。このように、中間価格帯の商品を選ぶ人を増やす方法を取るのも効果的です。
集客というのは”自社のサービスにお客さまを集める仕組み”です
集客とは、自社のサービスにお客さまを集める施策のことを意味します。飲食店の場合、お店にお客様を集める施策全般を指します。
集客の対象となるのは、
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自社サービスを認識していない「未認知顧客」
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すでにサービスを認識するも関心を持っていない「認知顧客」
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自社サービスの利用を検討中の「見込み顧客」
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利用履歴はあるもリピーターにはならなかった「休眠顧客」
また、集客には新聞や雑誌などの紙媒体、テレビCM、SNSやウェブ広告、対面での営業などの方法があります。ターゲットを絞り、お客さまを効果的に店に集める「集客」は、マーケティングのひとつに位置付けられています。
消費者心理を理解してより深く集客を理解する
マーケティングや集客を理解するには、お客さまのニーズを汲み取ることが大切です。そこで、まず消費者心理について簡単に解説します。
ネットにおける消費者心理プロセスを理解しやすいのが、電通が提唱し、商標登録されている「AISAS(アイサス)」です。
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お客さまが商品やサービスを知る(Attention)
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対象の商品やサービスに興味を持つ(Interest)
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商品やサービスを検索する(Search)
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実際に購入する(Action)
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周囲に知らせる(Share)
検索時に対象の飲食店が引っ掛からない場合は、自店への来店に繋げることはできません。他方で、利用後にSNSなどで周囲に知らせてもらえれば、今後の来店客増が期待できることでしょう。
集客する上で、SearchとShareをいかに押さえるかが大切です。
地域ナンバー1のポジションを手に入れる
飲食店の戦い方のひとつに「差別化戦略」があります。
お店の「差別化」とは常日頃から考えられている方はきっといることでしょう。他のお店にはない、自店だけの「魅力」を打ち出すことで、「お客様に選ばれる理由をつくる」という戦略です。
大切なのは、「○○」といえば、「●●(自店名)」とお客様に答えてもらうこと。「ポテト」といえば、「マクドナルド」というようなことです。そのカテゴリーで最初に名前を挙げてもらえる、そんな存在にならないといけません。
「味と接客にはそこそこ自信があるのに、リピーターが少ない」と嘆くお店は、お客様の印象に残るポジティブな特長をつくれていないと考えられます。味と接客が「そこそこ」なお店は世の中にいくらでもあるため、お客様の記憶に残らないお店は再来店の動機が生まれないまま、忘れ去られ、そして淘汰されてしまいます。
つまり、お客様に最初に思い出してもらえるお店づくりが出来ているかどうかが、競争に勝ち残る上での鍵となります。
地域ナンバー1になるためのポイント
押さえておきたいポイントをお伝えしておきます。
- 競合がひしめくカテゴリーに勝負を挑まない
- 競合が「やっていること」ではなく、「やっていないこと」を探す
- カテゴリーをどんどん掘り下げる※掘れば掘るほど、絞れば絞るほど特長として際立ちます
- 反転させる 例:男性向け⇔女性向け
- ポジショニングマップを活用する
ポジショニングマップとは、競合店との差別化を図り、自店が優位に立つことができるポジションを導き出す際に使用される手法です。競合店の立ち位置をマップに落とし、競合店が対応できていない空白地帯に自店を置くことで、自店の優位性を築きます。
そして、どんな定義づけをするにせよ「料理の質」と「接客の良さ」は大前提ですので、出来ていないというお店は、きっちりと磨いていきましょう。
この2つが不充分なお店は、特長があったとしても長く続きません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
飲食店は今後も消費者によって求められていくことは変わらないでしょう。しかし、今後とも自店を活気に導いていくためには、いかに自店を掘り下げていき、自店の魅力を導いていくことと、集客法によって変わっていくことでしょう。
そしてWEB集客に関しては、必ずと言っていいほどやっていた方がいいです。
自店をどのようにしていけばわからないという方は、ご相談いただければと思います。
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