こんにちは!盟生総研株式会社の堀井です!
弁理士は特許事務所を開き、主に企業を相手にして営業をします。
開発した商品のアイディアや技術などを特許などの形で保護するのが仕事であり、企業の命とも言える製品開発を守るために重要な役割を果たします。その重要度に比べて、弁理士というのは世間では認知度が低いのが現状です。
また、特許取得をたくさん行っている企業は、すでにお抱えの特許事務所を持っていることが多いです。
そのため、新規顧客を獲得するのが難しいケースがあります。そこで、どんな営業のポイントと活用できる手法があるのかをチェックしてみましょう。
弁理士・特許事務所の市場状況について
日本国内の特許出願件数の減少、弁理士の供給過剰による競争激化、AI技術に代替される懸念などにより、弁理士・特許事務所の市場規模は縮小傾向にあります。特に特許出願件数は2008年~2017年にかけて約20%も減っているため、弁理士業界も厳しい状況に陥っていると言わざるを得ません。
また、弁理士の高齢化も進んでおり、2017年には平均年齢が50代へと突入しました。弁理士業界は経験やスキルが重要視される実力主義の世界なので、ベテラン弁理士がたくさん存在する市場において、若手弁理士が結果を出すことはなかなか難しいでしょう。
このように限られた市場で勝ち残るためには、インターネットを活用したマーケティング戦略です。そこで、今回は弁理士・特許事務所におけるオススメの集客方法を解説していきます。
弁理士・特許事務所の集客や会員獲得でよくある課題
弁理士は公認会計士や弁護士、司法書士などと同じ「士業」です。一般企業が集客する場合、必要に応じてガツガツ営業をかけても問題ありませんが、士業の集客ではそうもいきません。
士業における報酬は、依頼者から受けた仕事を遂行して初めて発生するので、信頼を築き上げることが何より大切です。しかし、士業に携わっている人が一般企業のような強い営業を行うと、かえって警戒されてしまいます。かと言って全く営業をかけないとなると、当然ながら集客もできません。
特に弁理士・特許事務所の場合、市場規模が縮小しているという事情もあるので、何らかの対策を立てなければ、ジリ貧経営に陥ってしまいます。そうならないためにも、まずは営業のポイントを押さえておきましょう。
特許事務所の営業におけるポイント
特許事務所は、何か目に見える物そのものを売るわけではありません。そのため、他の業種の営業とは異なるアプローチの方法を採ったり、重視すべきポイントが違ったります。弁理士の営業として注意すべき点をまずはチェックしてみましょう。
弁理士そのものをアピール
企業は特許事務所を選ぶ時、自分たちのアイディアや技術を任せるに値する弁理士であるかどうかを重視します。弁理士という人そのものを見ているのです。
そのため、どんな営業手法を採るにしても、しっかりと相手に弁理士のことを覚えてもらえるようにすることが大事です。そのためにも、多くの特許事務所は、弁理士の顔写真を媒体に掲載するなどして、個人を知ってもらえるようにしています。
信頼性を高める
企業にとって特許というのは、自社のアイデンティティーを守るものですし、貴重な財産ともなります。そして、申請の仕方やスピードによって、特許自体が意味のないものとなってしまうことも知っています。
そのため、信頼できる特許事務所に依頼するというのは当然のことです。そこで、営業をする時には、事務所としての実績を前面に出してアピールすることで、信頼を勝ち得ることができます。
特にどのジャンルでの手続きに強いのか、どんな大手の特許事務所で経験を積んできたのかといった、弁理士自身の強みについても強調するのも良いでしょう。どんな営業手法を採るにしても、単に名前を覚えてもらうだけでなく、信頼してもらうということを目標にしましょう。
丁寧で分かりやすい説明
多くの企業担当者は、知財権についての専門知識を持っていません。そのため、営業をする時には、専門用語をやたら使ったり難しい説明をしたりすることは避けましょう。
素人でも分かるような、シンプルで分かりやすい説明を心がけ、じっくりと丁寧に解説します。そうすることで、相手に安心感や信頼感を持ってもらえるようになります。
具体的にできることとしては、相談のみの受け付けをしたり、ホームページなどで特許申請についての分かりやすい解説をしたりといった施策を打ち出せます。相手が知りたいと思う情報を提供することで、効果的な営業に結びつけられるのです。
人脈を広げる
全く知らない相手よりも、顧客の知り合いやビジネス上の付き合いのある経営者から仕事が回ってくることは、弁理士には多いものです。それだけ人脈というのは大切なものとなります。日ごろから交流会に参加したり、営業目的でなくてもいろいろな経営者を紹介してもらったりする努力をしてみると良いでしょう。仲間の輪が広がり、安定的に仕事を得やすくなります。
即効性重視の集客・広告方法
インターネットにおける集客・広告方法はたくさんありますが、望んでいる結果に適切なアプローチを選ぶことが大切です。まずは「今すぐ集客したい!」という人向けの集客・広告方法を紹介していきます。
リスティング広告の出稿
「リスティング広告」とは、GoogleやYahoo!などのサイトから検索をかけた時、検索結果の上下もしくは右側に表示されるクリック課金型広告です。
弁理士・特許事務所は一般的な認知度があまり高くないため、何の宣伝なのか一目でわかる広告文を載せましょう。
リスティング広告のメリット
リスティング広告は掲載順位を上げて出稿すれば、すぐ広告が掲載されるようになります。表示位置の関係上、ファーストビュー(画面上で最初に表示される部分)に入りやすいため、多くのユーザーに訴求することができるのです。また、クリックしやすい位置にあるので、ホームページまで引き込みやすいことも、即効性を高める要因になっています。
さらに、検索キーワードをもとにターゲットを絞り込んだり、キーワード単位で広告を出稿したりできることもメリットです。出稿期間・時間帯・地域なども細かく設定可能なので、無駄なく効率的に運用することができます。
その他、クリック数やコンバージョン率といった運用状況を、リアルタイムで確認できることもリスティング広告の特徴です。費用対効果が数値で見えるため、どのような結果が出たのかしっかり把握できます。
リスティング広告のデメリット
一方、リスティング広告の掲載順位を上げる場合、競争の激しさから広告費が高騰しやすいというデメリットもあります。また、リスティング広告は「広告コンテンツ」として表示されるので、広告嫌いの人から敬遠されやすいかもしれません。
googleマイビジネスへの掲載
「googleマイビジネス」とは、自社に関する情報を管理するためのツールです。社名・所在地・電話番号・営業時間など、様々な情報をまとめて掲載することができます。
Googleマップと連動しているので、地図検索を利用しているユーザーにも訴求可能です。
Googleマイビジネスのメリット
Googleマイビジネスにおける一番のメリットは、何と言っても無料で使えることです。用意するべきものはGoogleアカウントだけなので、誰でも気軽に始めることができます。
また、Googleマイビジネスにおける掲載順位は、MEOによって決まります。SEOに比べてMEOは本格的に取り組んでいるところが少ないため、上位表示を狙いやすいのです。しかも、検索画面におけるMEOの表示位置は、SEO1位のサイトより上部なので、ファーストビューに入りやすいというメリットもあります。
さらに、口コミ投稿機能が備わっていることも、Googleマイビジネスの特徴です。今やユーザーの8割以上が口コミを参照しているので、影響力の大きいコンテンツとなっています。特に弁理士・特許事務所はよく知らないという人も多いため、利用者のリアルな声を反映した口コミは非常に有益な情報です。
Googleマイビジネスのデメリット
Googleマイビジネスに掲載される口コミは、良い内容ばかりではありません。ネガティブな口コミも容赦なく掲載されるため、そのリスクを踏まえて利用する必要があります。
ただし、Googleマイビジネスでは口コミに返信することができるため、ネガティブな口コミに対して誠意ある回答を返せば、逆に信頼を得られる可能性もあります。
持続性/安定性重視の弁理士の集客・広告方法
「長いスパンで集客したい」という人は、安定した集客チャネルを構築する必要があります。
ホームページのSEO/コンテンツSEO
インターネットで集客するなら、ホームページの上位表示を狙うSEO対策は欠かせません。SEO対策で結果を出すためには、ユーザーの検索意図に基づく良質なコンテンツを提供して、検索エンジンから高評価を獲得する「コンテンツSEO」も大切です。
弁理士・特許事務所のコンテンツSEOでは、自社の事例などを伝えて認知してもらうことをオススメします。
SEO対策が成功すると、ホームページが検索結果の上位に表示されるので、ユーザーからアクセスしてもらえる可能性も高まります。多くのユーザーは検索エンジンから流入してくるため、大きな集客効果が見込めるのです。
さらに、コンテンツSEOならコストをかけずに多くの情報を発信できるので、弁理士・特許事務所を知らない潜在顧客にも認知してもらいやすくなります。潜在顧客を集客すれば、信頼構築や購買に向けたアプローチにも取り組めるようになるため、将来の新規顧客・常連顧客として囲い込めるのです。
また、効果が持続しやすいので費用対効果に優れている、上位表示によってブランディング効果が期待できるといった点も、SEO対策のメリットと言えます。
エリアマーケティングを意識したポジショニングメディア
「ポジショニングメディア」とは、クライアントごとの商圏とサービスに特化したポータルサイトになります。
ユーザーは特定のジャンルに関する情報を集める際、地域を限定して調べたり、複数の候補から選んだりすることが多いため、ポジショニングメディアを参考にするケースが多くあります。
そのため、自然とその商圏でそのサービスを受けたいユーザーが集まる為、成約率の高い反響を効率よく集客することが可能です。
ポジショニングメディアで自社の強みをしっかり訴求できれば、他の弁理士・特許事務所と差別化を図れるため、集客につなげることが可能です。また、競合他社の情報を調べていたユーザーが、自社の情報を見て転換してくれることにも期待できます。
オフライン集客もまだまだ有効
インターネットが発達し、スマホが普及した現代では、オンラインによる集客が主流となりました。事実、士業として活躍している方のなかには、オンライン集客しか実践していない方も多くいます。
ネットの利用率は年々増加していますが、全員がネットでリサーチをしているわけではありません。特に、高齢者のなかにはネットをまったく利用したことがない方もいます。若い方のなかにも、少数ではあれネットを利用しない方はいるため、このような方たちへもアプローチできるよう、オフラインでの集客にも力を入れる必要があります。競合から漏れたニーズをすくい上げることにつながるからです。
オフライン集客の手法として代表的なのは、チラシの配布です。オンライン集客が主流となった現代においても、チラシを使った集客はさまざまな業界で採用されています。士業においても、新聞の折り込みや、ポスティングなどでチラシを配布している方は少なくありません。
また、看板広告も代表的なオフライン広告の一種です。人目につく場所へ看板を設置すれば、日々多くの人に見てもらえるため、いわゆる刷り込み型のアピールができます。弁護士の看板なら、それを日常的に見ていた方が弁護士のサービスを必要としたとき、「そういえば毎日見るあの看板は弁護士事務所のものだったな」と思い出してもらえます。
ほかにも、電車やバスの中吊り広告や新聞、雑誌への広告出稿など、さまざまな手法があります。オンラインだけでなく、オフラインの手法も組み合わせることにより、集客効果を最大限に高められることを覚えておきましょう。
なお、オンラインとオフライン、どちらの広告を活用するときにもいえることですが、効果をきちんと分析することは大切です。どの程度の反響があったのかをその都度計測し、費用対効果をチェックしましょう。
まとめ
特許事務所の営業は、その仕事の特殊性ゆえに通常の営業とは多少異なるアプローチが求められます。特に弁理士自身、特許事務所への信頼感というものがとても重要です。
ホームページやSNS、紹介など複数の営業ルートがありますが、どの手法を活用するにしても、常にこうした信頼を勝ち得るということを意識して行うようにしましょう。そうすることで、成果の出る営業ができるようになります。
いかがでしたでしょうか。盟生総研では今までで500社以上の相談や依頼を受託してきました。
『今の現状から抜け出し、集客を増やしていきたい!』ということであれば下のホームから連絡をいただければと思います。